「GHQ焚書図書開封」西尾幹二著
枕元に積ん読していた本の一冊「GHQ焚書図書開封」をやっと読み終えた。インターネットテレビ「桜チャンネル」で放送されたものを元に活字化したそうだが、話し言葉ゆえに読みやすい。その放送の一部はyoutubeに上がっている。
西尾氏はご存じの通り、戦後の左翼にあらずば人に非ずといった朝日岩波文化全盛期に於いても、愛国(=右翼)的なポジションを貫いておられた方ゆえ、彼の「GHQ焚書」読解には氏特有の嗜好性、ひいては意図せぬ偏りがまったくないとは言い切れないかもしれないが、僕が本書を読んだ限りでは、とても客観的且つ公平な視点で書かれていると思った。
戦後の日本は、戦勝国による統治下、朝日新聞など大手マスコミを中心に徹底して自虐史観的に偏った情報ばかりが大量流布してきたわけだが、インターネットの普及により、その様相は一変し、大きく曲がり角を迎えてしまった。というより曲がり角を曲がりすぎて、無用にレイシスト的な発言をするネットウヨが大量発生する状況にすらなっている。更には、屈米嫌中韓ウヨクも時代の波に乗り、我が世の春を謳歌している。右翼とは本来反米だったと思うが、いずれにせよ季節は巡る。春来たりなば冬遠からじというところであろうか。
どっちも極端としか思えないが、歴史事実というものは常に中立である。歴史の中立を破ったのは紛れもなくGHQ~アメリカ政府であり、本書は半世紀以上を経た今、その失われた歴史の中立を回復しようとする貴重な試みであると思う。
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