昔から生きている人にだけ分かる話
いまNHKーBS2でグループサウンズ特集をやっている。
僕の高校時代に爆発的に流行した音楽で、その爆発的だったこととファン層がベビーブーマーということで母数が大きく、今なお商品価値があり、懐メロとして生きている。
先般亡くなったギタリストの塩次君も寺内タケシの“超絶技巧曲”を見事にコピーしていたが、今聴くと、…ま、そんなもんだったのね…といった微笑ましさがある。つまり、大衆音楽はこの半世紀の間に、ものすごい進化を遂げたわけだ。
グループサウンズを今更ながら聴くと、和魂洋才という言葉が思い浮かぶ。どういうことかと言うと、一見エレキギター主体という洋風の装いで演奏しているが、中身はいわゆる歌謡曲と大差ないということだ。とにかく、圧倒的に短調の曲が多い。長調が圧倒的に多い米英系洋楽ポップスと、そこが決定的に違う。
たとえば洋楽のルーツの一つである黒人ブルースの場合、メジャーコードの上に、ブルーノートという独特のマイナー調のメロディを載せるが、グループサウンズの場合は、演歌や抒情歌謡などと同じマイナーコードの上にマイナー調のメロディが乗っかるという、どう聴いても歌謡曲なのである。
グループサウンドの曲で、長調で有名なのはワイルドワンズの「思い出の渚」くらいか? 要するに、ビートルズなどに触発されて異常発生した文化も、換骨奪胎する日本特有のものだったんだね。
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