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2010/03/21

映画「デッドマン」

ジョニー・デップ主演、ジム・ジャームッシュ脚本・監督、ニール・ヤング音楽による1995年制作のモノクロ映画。

だいぶ前に買ったDVDで、だいぶ前に観て、いま思い出したようにその感想を書こうとしている。これと一緒に買ったDVDがジャン・リュック・ゴダールの「小さな兵隊」(1960年モノクロ作品)。これもしばらく前に観て、同じくこれから感想を書くつもりだ。。

「小さな兵隊」は、以前にも書いたと思うが、学生時代に新宿のミニミニシアターで観た。いや、視覚的には確かに観たが、途中で映写装置にトラブルが起きたのち、回復したと思ったらフィルムが裏返っており、字幕は左右逆転し、音声も途絶えてしまった。結局、映画の後半から何が何やらさっぱりわからないまま「FIN」と相成った。「金返せ」というところだが、学生運動華やかりし頃にもかかわらず、何故か誰も文句を言わなかった。

ン十年ぶりに、改めてDVDで観たわけだが、映像的には記憶があるものの、内容的には初めて観るも同然で、いったいどういう映画だったんだろう? という謎(?)は一応は解けた。

で、この「デッドマン」と「小さな兵隊」という、35年もの時間的隔たりのある両作品に共通しているものはといえば、単純にはモノクロ作品であること。それに、映画文法とでも言うべきものが、ハリウッド・メジャーから遠いところにあることだろうか。

ゴダールは言わずと知れたヌーヴェルヴァーグ(ニューウェーヴ)の人である。ジャームッシュはおそらく、そのヌーヴェルヴァーグに影響を受けた人であろう。

……とか何とか、僕はそのあたりのことには全然詳しくないので、ネット上のウンチク好きに任せることにする。

で、「デッドマン」だが、何かが起こる風でもない淡々とした語り口はいつものジャームッシュ調。彼のその一見抑揚のないリズムに慣れるまでは退屈を覚えるが、一旦そのリズムに乗ってしまうと……というか、観客がそのリズムに慣れ切るまで、とにかく同じリズムのイントロを長く長く引っ張るのが彼の手法だろう。そこで苛立って降りたりせずに根気よく付き合うと、今度は列車に揺られるような一種独特の心地よさが生まれる。

先住民役の役者が、人種的にそうは見えない違和感はある。が、それも見慣れてしまう。先住民を不可解で不思議な人物に描いているが、白人がよく禅などに惹かれるように、先住民の理解を超えたシャーマニズム的異文化に対してある種の憧憬があるのかもしれない。
ちなみに、一応西部劇のせいか、やたら人を殺す映画でもある。

「小さな兵隊」については、次稿にて。

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