「石田徹也の世界」
一昨日だったか、NHKの番組(「迷宮美術館」?)で、石田徹也さんという31歳という若さで亡くなった人の絵がクイズとして出題されていた。彼の画集が若い人に人気だそうで、書店では平積みで売られているという。海外で行われた展覧会でも評判だそうだが、本人はそうした成功の美酒を味わうことはなかったわけで、ちょっと気の毒な気もするが、絵の持つ不幸まみれの印象と相まって、不謹慎且つ無責任な言い方だが、ある意味ゲージュツ家らしい。
彼の公式ホームページがある。
「作品」コーナーで、絵も見ることが出来る。
僕は、かつての「月刊ガロ」、あるいはそれと同類の、70年代に多く見られたアンダーグラウンド系サブカルチャー・メディアの世界っぽいなと思った。時にエロ・グロ・ナンセンスな、いわゆる青春の負のエネルギーを媒介とするメディアの世界。
どの絵も、自己否定的というか、自己憐憫的というか、非常に強い負のオーラを発しているため、ある種恐いモノ見たさ的な好奇心から磁石に引かれるように見てしまうところがある。絵によってはユーモアがあるため、カフカほど孤独でも絶望的でもなく、むしろ自己との同化作用を持っている太宰治の人気に通じるものがあるかもしれない。
などと僕は思ったが、あなたは?